2024年に肉眼で見える最も明るい彗星、また100年ぶりの大彗星である紫金山・アトラス彗星(C/2023A3 Tsuchinshan-ATLAS)は、すでに夜空に見えています!一生に一度かもしれないこの機会に、紫金山・アトラス彗星をこの目で見てみよう!では、我々はいつ、どのようにして、自分の場所からそれを観測できるのでしょうか?
「紫金山・アトラス彗星」について
2023年1月9日、中国の紫山天文台(しきんざん/しきんさん)が新たな天体を発見しましたが、次に謎の天体の姿は見えませんでした。それから1ヶ月後の2023年2月22日で、南アフリカ天文台の小惑星地球衝突最終警報システム(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System,ATLAS)が新しい彗星を発見し、その軌道が1ヶ月以上前に紫山天文台が報告した天体の軌道と一致することが検出しました。したがって、彼らが同じ天体を発見したことが確認された。この彗星は2つの天文台が独自に発見したため、両方の名称を入れて、Tsuchinshan-ATLAS(紫金山・アトラス)と名付けられました。符号はC/2023 A3です。
出典:彗星の軌道に帯状に残された塵に地球がさしかかって、流星群が起こる丨中国の紫山天文台
彗星が太陽に近づくと、太陽放射の影響で塵を含んだ氷の塊である核が徐々に解けてガスや塵が出て彗星コマと彗星尾を形成し、箒(ほうき)のような形をしており、とても壮観で美しいです。以下は南半球で撮影された紫金山・アトラス彗星です。
出典:アトラス山脈の背後に昇るC/2023 A3 紫金山-ATLAS彗星丨Nikon d7500/タムロン 70-200mm @200mm f/2.8 1フレーム 2秒露出/モロッコ南部/撮影: Mazin Bashir
7月初旬、NASAの彗星専門家であるチェコ系アメリカ人の天文学者、Zdenek Sekanina様は論文の中で、明るさの増加が急に止まり、明るさが減少したことから判断して、紫金山・アトラス彗星が崩壊の兆しを示していることを述べました。
しかし、本当にそうなのでしょうか?ボートル・スケールを使用して、彗星の崩壊の可能性を判断できます。彗星の絶対等級 (H) は 7 + 6*q より明るくなければなりません (つまり、数値は 7 + 6*q 未満でなければならない)。ここで、q は彗星と太陽の間の最小距離です。紫金山・アトラス彗星の近日点 (2024年9月28日/日本時間) およびその前に、H < 7 + 6 * q であれば、彗星は近日点通過を生き残る可能性があります。
C/2023 A3 のコアの直径は約1~2 km (つまり、H = 4.5) であると推定されています。
彗星天文台 (COBS) のデータベースによると、紫金山・アトラス彗星の最新の観測は 9 月 23 日で、絶対等級は 6.6、太陽からの最小距離は約 0.391 天文単位です。したがって、4.5 < 7 + 6 * 0.391 = 9.346 となります。
2024 年 9 月 28 日(日本時間)の近日点では、絶対等級は 3.1 と推定され、太陽からの最小距離は約 0.392 天文単位です。したがって、4.5 < 7 + 6 * 0.392 = 9.352 となります。
上記の計算結果から、紫金山・アトラス彗星は崩壊しないことを示しています。それに、天文学者が継続的に監視した彗星の状態をもとに、彗星は崩壊の兆候を見せず、安定しているようです。
出典:彗星観測データベース(Comet Observation database,COBS)丨紫金山・アトラス彗星のデータ
話題の紫金山・アトラス彗星を観察・撮影してみましょう!
期間 |
時間 |
方角 |
方角 |
9月28日(近日点) |
明け方 |
東低空 |
太陽に最接近します |
9月28日~10月6日 ⭐️ |
明け方 |
東低空 |
彗星は太陽に近すぎて高度が低いため肉眼ではほとんど見えません。明け方、東の低空で一瞬だけ見えることがありますので、観察の際は双眼鏡や望遠鏡を使用して、水平線の向こうが見渡せる場所で、太陽で目を焼かないように観測するのがと良いです。運が良ければ、-4等以上の彗星を肉眼で見ることができます。 |
10月7日~10月11日 |
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太陽に近すぎるので観測できません |
10月12日(近地点)⭐️ ⭐️ ⭐️ |
日没後 |
西低空 |
地球に最も近く、彗星の観測に最適な時期です |
10月12日~10月16日⭐️ ⭐️ |
日没後 |
西低空/西空 |
12日以降、夕方には西の低空で彗星が現れます。その後は徐々に地球から遠ざかり、高度も徐々に高くなって観測しやすくなります。ただし高度がまだ低いので、晴れた日や高い場所を選んで観測することをおすすめします。 |
10月17日~10月29日⭐️ |
日没後 |
西空 |
▪高度が上がるほど観測できる時間が長くなるため、最も観測しやすい時期と考えられます。しかし、明るさは日ごとに暗くなり、ついに彗星はほとんど見えなくなり、月明かりの影響を受けやすくなりました。そして、彗星の尾が短くなるほど、肉眼で見るのが難しくなります。 |
10月30日以降 |
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肉眼ではほとんど見えません |
国際小惑星センターによると、C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) の明るさは、9 月上旬に6等を超えると予想されています。しかし、この彗星は太陽の近くにあり、ほとんど太陽と一緒に昇ったり沈んだりするため、観測が困難です。その後、徐々に太陽からの角度距離が大きくなり、近日点を通過する前後で明るさは3.5等くらいになり、観測可能になると予想されています。
その後、太陽からの角距離は再び急速に縮まり、10月10日頃から彗星は太陽の東に位置します。そして、太陽から遠ざかり地球に近づくため、10月12日に地球に最接近するときの明るさは1.9等になると予想されています。その後しばらくの間、紫金山・アトラス彗星は北半球の人々にとって観測しやすくになります。新しく明るい彗星が発見されなければ、紫金山・アトラス彗星が今年最も明るい彗星となります。
紫金山・アトラス彗星は、近地点付近で非常に明るくなり、肉眼でも観測することができます。しかし、他の時期には、彗星のように比較的淡い星に対して双眼鏡や天体望遠鏡を使った方が見つけて観測しやすいです。
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出典:紫金山・アトラス彗星の明るさと観測機材のおすすめ丨Starwaik
天文学者によると、大型彗星の出現は不規則で予測不可能で、一生のうちに大型彗星に遭遇する機会は多くなく、有名なハレー彗星など、ほとんどの人が一生に一度しか見ることはありません。76年に一度地球を訪れます。大彗星は滅多に遭遇できない特別な天体現象です。一生に一度かもしれないこの機会に、ぜひSVBONYの双眼鏡や天体望遠鏡などを使って話題の紫金山・アトラス彗星を観察・撮影してみましょう!
出典:2023 年で最も明るい彗星、C/2022 E3 (ZTF)丨撮影: Dattn Bartle
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