SVBony促销活动
閉じる

ASTRO PHOTOGRAPHY GUIDE

天文写真の世界を知る
3つの分野完全ガイド

星景・惑星・ディープスカイ。撮影対象も機材も手法も異なる3つの天文写真の世界を、この1ページで体系的に解説します。

3つの撮影分野

あなたが撮りたいのは、どの星空ですか?

星景写真:星の軌跡と風景の作例
01 星景写真

Starry Landscape

自然風景や建造物を前景に、星空や星の軌跡を背景に撮る、最も気軽に始められる分野。超広角レンズや魚眼レンズを使用。

惑星写真:火星の作例
02 惑星写真

Planetary Imaging

太陽系の惑星や月、太陽を高倍率で捉える分野。短時間露出で大量に撮影し、鮮明なコマを選んで積層する。

ディープスカイ:星雲の作例
03 ディープスカイ

Deep Sky Imaging

太陽系外の星雲・星団・銀河を撮影する最もハードな分野。撮影対象やスタイルに応じて、天体用カメラや赤道儀などを組み合わせます。

01

星景写真

Starry Landscape

星景写真とは

星景写真は、山や湖などの自然風景、あるいは建造物を前景に入れ、星空や星の軌跡を背景として撮影する方法です。風景と星空を一緒に写すため、広い範囲を写せる超広角レンズや魚眼レンズがよく使われます。焦点距離はおおむね14〜35mmが目安で、一般的には14〜24mmや16〜35mmのレンズ、または魚眼レンズが選ばれます。星を明るく写すには、開放F値の小さいレンズが有利です。

富士山と天の川の星景写真
富士山と天の川を写した星景写真の一例

レンズの選び方

  • 焦点距離:14〜35mm の超広角または魚眼
  • 代表的なレンズ:14-24mm、16-35mm、魚眼レンズ
  • 明るさ:絞りは大きいほど有利(星光をより多く集められる)
  • 目安露出:開放絞り・ISO 3200〜6400・15〜20秒程度(500ルールを参考に、焦点距離が長いほど露出を短く)

推奨機材

案1:カメラ+広角レンズ+三脚(星景写真の定番スタイル)

<こんな方>天の川や星空を、山・海・建造物などの地景と一緒に写したい方。最も一般的な星景写真の組み合わせです。

カテゴリ 推奨モデル
カメラ デジタル一眼レフ/ミラーレス(Canon / Nikon / Sonyなど・お手持ちの機材でOK)
レンズ 超広角・大口径レンズ 14-24mm f/2.8クラス
三脚 SV225T(アルミ製・安定性重視)/ SA402(液圧雲台付き)
アクセサリー レリーズ/リモートシャッター
撮影のポイント:広角レンズは焦点距離が短いため、500ルール(露出秒数 ≒ 500 ÷ 焦点距離mm)を守れば星が流れずに撮影できます(14-24mmなら15〜20秒程度)。
案2:CS魚眼レンズ+天体カメラ+三脚(全天監視・流星記録向け)

<こんな方>流星の記録・全天モニタリング・タイムラプスなど、手軽に広い空を写したい方。※芸術的な星景写真(作品づくり)とは用途が異なります。

カテゴリ 推奨モデル
CS魚眼レンズ  CSマウント魚眼レンズ
天体カメラ SV705C/SC715C(プラネタリーカメラ)
三脚 SV225T(アルミ製・安定性重視)/ SA402(液圧雲台付き)
ご注意:魚眼レンズは焦点距離が極端に短いため、短時間露出(〜20秒程度)なら赤道儀なしでも星は流れません。ただしプラネタリーカメラは高速撮影向けの小型センサーで、長時間露出の画質は一眼レフには及びません。この組み合わせは全天監視・流星記録・タイムラプス用途としてご案内しています。
補足:CSマウントのバックフォーカスは12.526mm(Cマウントは17.526mm)。魚眼レンズやアダプターを選ぶ際はマウント規格にご注意ください。
02

惑星写真

Planetary Imaging

惑星写真とは

惑星撮影は、木星や土星など、太陽系内の惑星を主な対象とする撮影分野です。月や太陽も、撮影機材や手法に共通点が多いことから、広い意味で同じ分野として紹介されることがあります。また、国際宇宙ステーション(ISS)などの人工衛星を撮影する場合にも、惑星撮影に近い機材や手法が用いられます。なお、太陽を撮影する際は、必ず専用の太陽観察・撮影用フィルターを使用してください。

太陽系の構造と天体の種類を示す図
太陽系の構造と、太陽系内天体の種類を示す図

カメラの選び方

惑星撮影では、惑星の細部を捉えるために、高速で連続撮影できるカメラがよく使われます。撮影した大量の画像から鮮明なコマを選び、位置を合わせて合成することで、ノイズを抑えながら細部を引き出します。一方、ディープスカイ撮影では、星雲や銀河などの淡い光を記録するため、低ノイズ性能や感度に加え、長時間露光への対応が重要です。カメラは撮影対象や望遠鏡のイメージサークル、画角、予算などに合わせて選びましょう。

撮影条件の3要素

  • 天体撮影では、雲や雨、濃い靄などがあると撮影が難しくなります。天候に加えて、惑星撮影では次の条件も画質に大きく影響します。
  • 大気透明度 — 空気の澄み具合。汚染が少なく靄のない状態がベスト。季節だけで一概には判断できず、観測地の気象条件によって変わります。
  • シーイング(大気の揺らぎ) — 大気の揺らぎの度合い。望遠鏡像のシャープネスに直結し、悪い日は観察すら困難。
  • 惑星の高度 — 地平線からの高さ。高度が高いほど大気の影響を受けにくく、撮影に有利です。

基本の撮影法:「短時間露光・多数枚スタック」

ディープスカイ撮影では長時間露光が一般的ですが、惑星撮影では、多くの対象に対して長時間露光はあまり適していません。

惑星撮影でよく用いられるのは、「短時間露光・多数枚スタック」という手法です。1フレームあたりの露光時間を短くして大量の画像を撮影し、その中から画質の良いフレームを選んで合成することで、ノイズを抑え、より鮮明な画像を得ることができます。

また、惑星は自転しているため、撮影に時間をかけすぎると、惑星表面の模様が流れて写ることがあります。そのため、できるだけ短時間で効率よく撮影することがポイントです。撮影条件が良い夜には、ほかの天体の撮影にも挑戦してみましょう。

では、撮影するフレーム数はどのくらいが適切なのでしょうか? 基本的には、画質を保てる範囲でできるだけ多くのフレームを撮影するのがおすすめです。数千〜数万フレームを撮影することも珍しくありません。フレームレートの高いカメラを使用すれば、数万フレームでも数分程度で撮影できる場合があります。

望遠鏡選びの3要素

  • 精度 — 光学面の精度は、望遠鏡の結像性能に関わる要素のひとつです。ただし、波面誤差の表記方法や測定条件によって数値の意味が異なるため、「1/4波長」などの数値は、メーカーが示す測定基準とあわせて確認しましょう。
  • 有効径 — 有効径が大きいほど、理論上の分解能は高くなります。ただし、実際に得られる細部の見え方は、大気の状態や光学系の性能、ピント合わせなどにも左右されます。
分解能の目安(秒角)≒ 120 ÷ D(D:有効径 mm)
  • 焦比 — 焦点距離を有効径で割った値で、「F値」または「f/」で表します。ディープスカイ撮影では、短い露光時間で効率よく光を集めるため、明るい光学系(小さいF値)が有利な場合があります。一方、惑星撮影では、焦比だけでなく、適切な拡大率やカメラの画素サイズ、シーイングなどを考慮して撮影倍率を決めます。

焦点距離が足りない場合はバローレンズ(焦点延長レンズ)を使用。例:F5の鏡筒に2xバローで F10相当に。

なお、当店の惑星撮影向け鏡筒MK90 / MK105 / MK127(マクストフ・カセグレン式)は、元々焦点距離が長くF値が大きい設計(例:MK127は口径127mm・焦点距離1500mm・f/11.8)です。そのため、バローレンズなしでも惑星を高倍率で拡大して撮影でき、初心者にも扱いやすい構成になっています。

木星の拡大写真(縞模様・大赤斑)
望遠鏡で撮影した木星の拡大写真(縞模様と大赤斑が見える)

推奨機材

カテゴリ 推奨モデル
望遠鏡(鏡筒) MK127/MK105/MK105PRO/MK90
カメラ SV705C/SC715C(プラネタリーカメラ)
ガイドスコープ  SV165 / SV106
ガイドカメラ  SV905C
バローレンズ SV213(2x)/ SV216(3x)
ADC(大気分散補正) SV199
赤道儀 /
三脚 SV225T(アルミ製)
撮影のポイント:短時間動画を数百〜数万フレーム撮影し、AutoStakkert! 3で良いコマを選んでスタックします。最初はバローレンズなしで焦点距離の感触をつかみ、慣れてきたら2xバローを試しましょう。
撮影のポイント:撮影倍率はシーイング(大気の揺らぎ)に合わせて調整し、高倍率にしすぎないことが重要です。ADC(SV199)は惑星の高度が低いときに色にじみを抑える効果が大きく、画面の色滲みが気になる場合は特におすすめです。
安全上の注意:太陽を撮影する際は、必ず専用の太陽観察・撮影用フィルター(SV229)を使用してください。フィルターを付けずに望遠鏡を太陽に向けると、失明や機材の破損の恐れがあります。ISSなど速く動く衛星は、追尾しやすい赤道儀と組み合わせるのがコツです。
SVBONY望遠鏡を用いた天体撮影セット
MK127を用いた天体撮影セット

現像ソフト定番3点セット

  • AutoStakkert! 3 — フレームの選別・位置合わせ・スタック(合成)
  • RegiStax 6 — ウェーブレット処理によるシャープネスの調整
  • Adobe Photoshop — ハイライト・シャドウ・色調などの調整
03

ディープスカイ撮影

Deep Sky Imaging

ディープスカイ天体とは

ディープスカイ天体は、太陽系外にある天体のうち、主に星雲・星団・銀河などを指します。肉眼で見える天体は限られますが、双眼鏡や望遠鏡を使うと、条件次第で多くの天体を観察できます。代表的な天体カタログには、メシエカタログ(M)、NGCカタログ、ICカタログなどがあります。

なお、太陽系内の彗星も、星雲・銀河とほぼ同じ機材・撮影手法を用いることから、深空撮影の対象として扱われます。

なぜ長時間露出+スタッキングが必要なのか

深空天体は肉眼ではほとんど見えないほど光が暗いうえ、その動きは「相対的に静止している」と見なせます。銀河の自転周期は数億年にもおよび、人間の撮影時間の中では実質的に変化しない、いわば「壁に貼られた絵」のような存在です。だからこそ、光をゆっくり集める長時間露出が有効なのです。

  • 長時間露出:暗い天体の光を長時間センサーに当てて記録する技法
  • スタッキング(画像合成):同じ対象を撮影した多数枚を後処理で重ね合わせ、累積露出を得る技法

露出を1回で極端に長くするとノイズや星の流れが目立つため、現実的には「中程度の露出」+「スタッキング」の組み合わせが基本になります。短時間露出を多数枚重ねることで、ノイズが平均化されて滑らかになり、暗い星雲の構造が浮かび上がります。

深空天体の分類

深空天体
星団+
散開星団+
M45 プレアデス星団(すばる)
M45 プレアデス星団
球状星団+
M5(NGC 5904)
M5 球状星団
星雲+
散光星雲(明るい星雲)+
輝線星雲:北アメリカ星雲(NGC 7000)
北アメリカ星雲 NGC 7000
反射星雲:アイリス星雲(NGC 7023)
反射星雲 NGC 7023
暗黒星雲:馬頭星雲
馬頭星雲
超新星残骸+
かに星雲(M1)
かに星雲 M1
惑星状星雲+
らせん星雲(NGC 7293)
らせん星雲 NGC 7293
銀河+
渦巻銀河など+
アンドロメダ銀河(M31)
アンドロメダ銀河 M31

深空天体のスペクトルと発光の仕組み

深空天体は「どうやって光を放っているか」=スペクトル(光の波長ごとの強さの分布)で3タイプに大別できます。スペクトルを知ると、星雲ごとに合うフィルターが違う理由が明確になります。

タイプ 発光の仕組み スペクトル 代表例
反射星雲 周囲の恒星の光を反射して輝く(「照らされている」) 連続スペクトル/吸収スペクトル M45プレアデス星雲、M78、NGC 7023アイリス星雲
輝線星雲(放出星雲) 高温の恒星に励起され、星雲ガス自身が発光する(「自分で光っている」) 輝線スペクトル(特定波長のみ) M42オリオン大星雲、M16わし星雲、NGC 1499カリフォルニア星雲、NGC 2237ロゼット星雲
暗黒星雲 背後の星の光を吸収・散乱し、シルエットとして浮かび上がる(「引き立たされている」) 連続スペクトル(透過光) 馬頭星雲、M45周辺、M81/M82周辺

覚え方は簡単です。反射星雲=照らされている/暗黒星雲=引き立たされている/輝線星雲=自分で光っている。

なお、実際の天体には複合型もあります。M42オリオン大星雲は輝線星雲と反射星雲が共存する代表例で、馬頭星雲の周辺領域は輝線・反射・暗黒の3タイプすべてが揃うことで有名です。

NGC 2237 ロゼット星雲(輝線星雲の代表例)
輝線星雲の代表例:NGC 2237 ロゼット星雲
M78 反射星雲(青白く輝く反射星雲)
反射星雲の代表例:M78(青白く輝く)

ナローバンドフィルターとハッブルパレット

輝線星雲の光は、輝線スペクトルと呼ばれ、特定の波長だけが強く放射されるのが特徴です。主な輝線は以下の通りです。

  • SII(671.6nm・一価の硫黄イオン)— 赤い領域の輝線
  • Ha(656.3nm・水素α線)— 赤い領域の輝線
  • OIII(500.7nm/495.9nm・二価の酸素イオン)— 青緑の領域の輝線
  • Hb(486.1nm・水素β線)— 青い領域の輝線

実用的にはこの中のSII・Ha・OIIIの3本を押さえておけば十分です。星雲撮影では、この3本の輝線波長だけを選択的に通すナローバンドフィルターを使います。輝線スペクトルの波長帯だけを透過させることで、夜空全体の光害(ナトリウム灯など)や月明かりを大幅にカットし、星雲のコントラストを一気に引き出せるのが利点です。

代表的なカラー合成手法ハッブルパレットでは、SIIを赤、Haを緑、OIIIを青に割り当て、ゴールドとコバルトブルーが混ざり合う「ハッブルカラー」を表現します。SVBONYでは、HaとOIIIの2本を1枚で通すSV220(デュアルバンド)、SII・Ha・OIIIをそれぞれ単独で通すSV227(SHO シングルナローバンド)をご用意しています。

SV535で撮影したM42オリオン大星雲
SV535で撮影した実写画像

推奨機材

カテゴリ 推奨モデル
望遠鏡(鏡筒) SV535/SV555/SV503/SV550/MK105/MK127
メインカメラ SV405CC/SV605CC/SV605MC
フィルター SV220/SV227
フラットナー

鏡筒に適合する専用品(例えば:SV193) 

バローレンズ SV213(2x)/ SV216(3x)
三脚 SV225T 
防曇ヒーター SV172 / SV192(レンズ周長に合わせて選択)
補助機材 EAF電動フォーカサー、フラットパネル、コマコレクター、赤道儀(自動追尾)
設営機材 耐荷重を重視した赤道儀 + 高安定三脚
必須装備:長時間露出には赤道儀の自動追尾が必須です。星を追いかけるため、ガイドスコープ(SV198 / SV106)とガイドカメラ(SV905C / SV305C Pro)も併せてご用意ください。ガイドがないと、わずかな歪みでも星が点ではなく線に写ります。
撮影のポイント:モノクロカメラはS・H・O各フィルターを順番に露出するため、1夜の撮影時間が長くなります。防寒対策とポータブル電源は必須。別途パソコンまたは天文ボックス、機材を運ぶ車も必要です。
フィルター互換性:SV227(SHO)ナローバンドフィルターは焦点比F5以上の鏡筒に対応しています(F値が小さい鏡筒に取り付けると、光の入射角の関係で性能を発揮できません)。そのため、この案ではf/7のSV503-102ED/80EDを推奨しています。明るいf/4.5のSV555を使う場合は、公式キットでも採用されているSV220デュアルバンド(Hα・OIII)をご検討ください。
撮影のポイント:焦点距離が長いほどガイド精度の要求が高くなり、わずかな軌道ズレでも星が流れます。三脚や赤道儀は軽さより安定性を優先し、撮影開始前には十分なウォームアップと極軸合わせを行ってください。

その他共通:パソコンまたは天文ボックス、ポータブル電源、機材を運ぶ車。

セットアップイメージ

ディープスカイ撮影は、使用する機材が多いことが特徴です。赤道儀・鏡筒・カメラ・ガイドシステム・ポータブル電源などを組み合わせ、必要な機材を一式持ち込んで撮影に臨むスタイルが一般的です。

SV535とカメラを組み合わせたディープスカイ撮影セット
SV535とカメラを組み合わせたディープスカイ撮影セット

みなさんの撮影に、晴れ空が訪れますように。

今日も、明日も、明後日も、ずっと晴れますように。
星を撮りたいと思ったその日に、必ず晴天が訪れますように。