お客様へ:ポイント還元率が変更になりました。以前の1%から5%にアップし、より多くのポイントキャンペーンをご提供します。今後もポイントキャンペーンなどをお楽しみに! ×

SV30双眼鏡二色お勧め

SV30双眼鏡二色お勧め

私が最初に双眼鏡を買ったのは6年前のことになります。私が住んでいる地域では、双眼鏡を取り扱うお店が少なく、店頭で展示機を覗くことが出来ません。仕方ないので、気になる機種で低価格なものをちょくちょく購入し続けた結果、集まった双眼鏡は80機種を越えてしまいました(ただし、基本安物ばかりなので、金額的には大したことはないです)。

SVBONYの双眼鏡もそのうちの1つで、試しに SV31 8x32 を購入してみましたが、これがなかなか好印象。サポート対応にも好感が持てたので、半分は応援の意味合いを込めつつ、もう半分は単なる好奇心から、SVBONYの他の双眼鏡をいくつか購入してみました。

今回、購入したSV30 10x42ですが、滑り止め部の幾何学模様的造形が凝っている点など、デザインやラバー外装の質感などはとても良く、4,000円くらいの双眼鏡には見えません。

重量は実測で554gと仕様(551g)に極めて近い値で、この点も私的には好印象(生産管理が行き届いている証では?と思います)。この550g強という重さですが、対物42mmのダハ双眼鏡としては結構軽い方です(他に私が持っている双眼鏡だと、例えばワンサイズ下のコーワの BD32-8XD が重さは560g)。大きさ自体は一般的なサイズなので、特に取り回しが良いということはありませんが、持ってみると意外に重くなく、扱いやすく感じました。

さて、この双眼鏡ですが、日本では珍しいフリーフォーカスの中~大型機という点に、私的には興味を惹かれ購入しました。フリーフォーカスとは、カメラでいうところのパンフォーカス(固定焦点)と同じようなもので、遠くの対象がちゃんと見えるようにピント位置が固定されたものですが、人間側の目の焦点調整力でピントの合う範囲を補うことが出来るという点がカメラと異なります。

つまり若くて目のピント調節が柔軟な人は遠距離から比較的近い距離まで使えますが、私のように近視で老眼の人は(しかも左右の視力が不揃いな、いわゆるガチャ目)、遠方が見えるようにメガネなどで矯正する必要がありますし、また目のピント調節が利かないので、近距離はピントが合ってくれません。私の場合、距離が40~50mより遠くないと、ピント合わせが厳しい感じです。

フリーフォーカスの双眼鏡については、他にケンコーの New 7x18DH SGWP (New SG 7x18 DH FF WP)を持っています。こちらは仕様だと最短合焦距離(一番手前でピントが合う距離)が5mとなっているのですが、私の場合、対象が15mくらい離れていないとピントが合いません。SV30 10x42の仕様には最短合焦距離の記載がありませんが、若い人なら私よりもっと近距離での余裕があるはずです。

この双眼鏡のアイカップ(見口。覗き口のこと)はターンスライド式(ツイストアップ式)を採用しています。低価格品に多いゴム製アイカップより使用感に優れていますが、残念ながら私がメガネを掛けて使用すると、ある程度、視界がケラレます(その人のメガネのセッティングにより、ケラレ具合は大きく変わります)。これはターンスライドを縮めた状態でも、アイカップの縁と接眼レンズとの間にが段差があるためで、恐らくアイカップの構造的に、ターンスライドの伸縮長を長く取ることが難しいため、裸眼でもメガネでも使いやすい位置ということで妥協したのだと思います。アイレリーフが15mmあるのに勿体ないです。多少はケラレますが、メガネでの使用感はNew 7x18DH SGWP(アイレリーフ10.5mm&ゴム製アイカップ)よりはずっと快適です。

裸眼での使用感は概ね良好で、アイカップを顔に当てて普通に使えます(アイレリーフが長すぎて見えづらいということはありませんでした)。ターンスライドは途中にストップ位置のあるタイプで、アイカップをスーッと左に回転させて突き当たった位置から、更に少し力を入れると中間のストップ位置に入ります。その後、再度、力を加えるとストップ位置から抜け出し、またスーッと回転するようになり、2度目に回転が突き当たった位置が最もターンスライドが伸びた状態になります(終端にクリックストップはないようです)。文章で説明するのが難しいのですが、中間位置のクリックストップがちょっと変わった感触で、もしかしたら中間のストップ位置手前を終端と勘違いする人がいるかも?と思い、少し詳しく書いてみました。

肝心の見え方ですが、この価格にしてはストレスなく良く見えると思います。実視界5.8°と視界もそこそこ広く、10x42らしい拡大っぷり?や暗がりでの見易さも感じられます。糸巻き型の歪曲収差がありますが、目が回ってしまうような酷いものではなく、視界の片ボケなども見られませんし、視野の食い違いもほとんどなく、視野サークル?もクッキリ。もちろん、メジャーなメーカーの10x42のダハと比べると見劣りすると思いますが、そもそも価格帯が全く異なるので当然というか、価格からするとビックリするくらいまともです。一般的な小型フリーフォーカス双眼鏡にありがちなオモチャっぽさはありません。

対物30~40mmのフリーフォーカス双眼鏡というのは、日本のメーカーのラインナップには見当たりません。世界的にはブッシュネルのパーマフォーカスシリーズが有名で、豊富なラインナップを誇っていますが、ブッシュネルは日本での販売にはあまり熱心ではないようで、現在、日本の正規代理店では扱っていないみたい?。ということで、日本に限っては事実上ライバル不在という状況です。価格的にも割安感があり、面白い存在だと思います。

私的にフリーフォーカスと通常フォーカス(センターフォーカス)のどちらがオススメ?と聞かれれば、基本的には通常のものをオススメしたいです(SVBONYならSV31シリーズなど)。最初は戸惑うかも知れませんが、通常の双眼鏡も調整や操作方法は単純なので、ちょくちょく使う機会があるのなら直ぐに慣れると思います。

しかし、例えば双眼鏡を使うのコンサートのみ、それも年数回だけという人の場合、フリーフォーカスは有力な選択肢に成り得るかも知れません。非マニアの方のフリーフォーカス双眼鏡のレビューや感想を見てみると、ピント合わせが不要な点がとても高く評価され、フリーフォーカス機能自体に不満を持つ人はあまり見当たらないんですよね。

動きのある対象を双眼鏡の視界に収めつつ、人差し指でピントリングを的確に回し、他の指は手ブレが起きないようにしっかり双眼鏡を保持。慣れている人は問題なく行っていることですが、使用機会が少ない人にとってはストレスに感じることかもしれません(年数回しか使用機会がない機器を使いこなすのは難しいのでは?)。



レビューという主旨とは少し異なると思いますが、以下、初心者の方がSV30 10x42を使った際のメリット・デメリットを書いてみたいと思います。

まずメリットですが、約4,000円(現在での価格)の双眼鏡としてはコーティングがしっかりしているなど、性能の割りに安価であること。倍率と明るさのバランスが良い10x42という仕様(双眼鏡は倍率だけ上げてもよく見えません)。大きな屋内会場でのスポーツ観戦やコンサート用、でも予算はあまり掛けられないという人にとっては、強い味方になってくれると思います。

フリーフォーカスということで視度調整やピント調整が不要というのが特徴的なメリットですが、例えば使用時に操作が必要ないので、使用者は見ることだけに集中出来ること、またピントリングに指を伸ばす必要がないので、双眼鏡の最もバランス良い部分で保持することが出来ることも、初心者が使う上でメリットだと思います(特に手の小さい人が大きな双眼鏡を使う際は、結構、重要なメリットかも?)。もちろんピントリングを動かすために保持が疎かになることもありませんから、それだけ手ブレを起こしにくいともいえます(操作に不慣れな初心者にとっては特に)。

また大型双眼鏡であること自体も手ブレに対し有利に働きます。先日も知恵袋的なサイトの質問にあったのですが(たまに双眼鏡に関しての回答をしています)、小さくて軽い双眼鏡は携帯には便利ですし、首から下げていても負担にならない反面、手ブレしないよう持つには慣れが必要ですし、軽いと指先の細かな震えにより手ブレが起きやすくなります(この辺はデジカメなども同じと思います)。双眼鏡はある程度、大きさと重さがあった方が手ブレを抑え込みやすいのです。

他にはアイカップ。小型双眼鏡と比べ、アイカップのサイズも大きい分けですが、そのおかげでアイカップをしっかり顔に当てて使うことが出来、この点も手ブレに対し有利に働きます(アイカップの小さい小型双眼鏡の場合、アイカップを顔というより瞼に当てることになるため、しっかり当てるというより触れさせる感じになります)。

10倍という倍率は手持ちとしては限界に使い倍率で、私の場合は、8倍は快適に使える限界、10倍はガンバって使える限界、という感じです(12倍は手持ちだけだと私的限界を超えてしまいます)。基本的に初心者の方は8倍の方がオススメなのですが、明らかに距離が遠い場合は10倍の方が好ましい分けで、像の明るさの面からも手ブレの面からも、10倍なら中~大型双眼鏡の方を私的にはオススメしたいところ。そして中~大型のフリーフォーカス双眼鏡ならピント調整の操作をしなくて済む分、初心者でもより安定して持ちやすくなり、手ブレが抑えられるのでは?とも思うわけです。

デメリットについては、先に書いたことの繰り返しになりますが、正常な視力の状態でないと使えないこと。大口径&倍率高めということで、近距離が苦手なところ(特に老眼の人には厳しい)。あと、この大きさと重さは、人によっては負担を感じるかもしれない点です(適度に重い方が良いのですが、重すぎてはダメというか)。

重さについてですが、初心者と思しき方のレビューなどをチェックした私的印象では、重さ200gぐらいまでなら不満を言う人はほとんどいません(重さが気にならない限界)。これが300gくらいになると不満を口にする人がチラホラ出てきます(快適に使える限界)。そして600g(大型双眼鏡の軽いモデル)辺りになってくると、耐えられない人が出てくる感じです(ガンバって使える限界)。

この辺の許容範囲は個人差がかなりあって、例えば体力のある男性やカメラを趣味にしている人は、許容範囲は広めだったりしますし、腕力のない女性や肩凝りが酷い人だと狭かったりします。重さに関して不安があるようなら、同じフリーフォーカスでもワンサイズ下のSV30 8x32や、更に小さな SVBONY SV10 8x25 を選ぶのも手だと思います。また老眼で遠距離以外で使用機会があるようなら、これらの双眼鏡の方が良いかも?(ピントに関して近距離での余裕があるはずなので)。

では最後にワンポイントアドバイス(というと大げさですが)。多くの双眼鏡の場合、視界の中心部と視界の周辺部では、ピントの合う位置が異なります(像面湾曲)。中心部より周辺部の方がピントの合う位置が手前になるので、距離が近すぎて少しピントが合わない場合には、見たい対象を視界の中心ではなく視界の端に捉えるようにすると、ピントが合う場合がありますので、機会があったらお試し下さい(この双眼鏡はそんなに像面湾曲は強くないので、効果は薄いですが一応使えます)。


レビューを書く