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目的別天体望遠鏡の選び方

目的別天体望遠鏡の選び方

   天体望遠鏡を選ぶといっても、メーカーや機種は多種多様です。自分の目的に合ったものを選ぶことが最も大切ですね。そこで、目的別にどのような天体望遠鏡を選べばよいのか、そのポイントを解説しましょう。

月のクレーター、木星の縞模様、土星の環を見たい

 多くの方が月や惑星観測を目的に天体望遠鏡を購入されるのではないでしょうか。ですからある意味、この条件を満たすことが求められている最低条件といえるかもしれません。しかしこれだけが目的でしたら、発売されている多くの機種が条件を満たしていると思います。口径の大きさが6cm以上で、付属する接眼レンズを使った倍率が100倍以上あれば、月や木星や土星といった惑星観測をそれなりに楽しむことができるでしょう。惑星は高倍率で観測することが多いので、安定して追尾することができるように、微動装置のついたものを選びましょう。鏡筒の形式は安定した像を楽しめる屈折式のものをおすすめします。

 ここで、注意していただきたいことがあります。それは、あまり安価な天体望遠鏡を選ばないことです。安価なものはコスト削減のために作りが悪く、レンズの研磨状態が悪かったり、本来は金属を使わなければならないところがプラスチックで代用されています。カメラ用として使われる程度の架台と三脚が付属していることも多く、ガタガタしたり、天体を導入するのに手間取ったり、像がにじんだりして、しっかりと落ち着いて天体観測をすることができません。価格は最低でも2万円以上を目安にしてください。

星雲、星団を見たい

 せっかく天体望遠鏡を購入するのだから、美しい星雲や星団を見てみたい。こう思われる方も多いのではないでしょうか。星雲や星団は暗くて淡い天体が多く、どこまで見たいのか、欲を出せばきりがありません。その中でも8等級くらいの大型で明るい天体であれば、存在を確認するだけでしたら6cmくらいの望遠鏡でも見れなくはありません。しかし、できることなら口径が8cm以上のものをおすすめします。というのも、淡い星雲や星団の天体観測では口径の大きさがものをいうからです。

 例えば小さく密集した暗い星の集まりは、小口径では存在すら確認することができません。ところが少し口径が大きくなると、モヤモヤとした星雲状に見えてきます。さらに口径が大きくなると、星の一粒一粒までが分解できて、美しい星団であると認識できるようになります。このように、星雲・星団は天体望遠鏡の口径の大きさ次第ですから、口径の大きさを基準に考えてください。屈折式なら8cm、反射式やカタディオプトリック式なら10cm以上で、価格は3万円から5万円以上が目安となります。口径の大きさのことを考えると、価格的には屈折式よりも反射式やカタディオプトリック式の方が有利です。

もうちょっと詳しく天体観測したい

 惑星や星雲・星団など、もう少し詳しい天体観測をしてみたいという方もおられるでしょう。詳しい天体観測を行うためには、どうしても大きな口径が必要になります。初めて天体望遠鏡を購入されることを前提にすれば、屈折式なら10cm、反射式やカタディオプトリック式なら15cmを目安にしてください。口径が大きくなることで、11等級程度の淡い天体が観測できるようになって、観測対象が広まります。また、分解能が上がることで細かいものを識別できるようになり、惑星の小さな模様をとらえることもできるようになります。入門機とは違ったワンランク上の天体観測を行うことができるでしょう。

 それから、詳しく天体を観測しようとすると、どうしても観測時間が長くなります。その点では経緯台式よりも天体の追尾が楽な赤道儀式のものをおすすめします。モータードライブや自動導入装置に付属する自動追尾機能を使うと観測はさらに楽になりますが、こちらは絶対に必要というものではありません。

 注意していただきたいのは、赤道儀式とは名ばかりな機種もあり、実際に使ってみるとちょっとしたことでガタガタしたり、ユラユラと星が揺れたりすることがあります。値段は正直ですから、あまり安価な機種に飛びつかない方が賢明です。10万円オーバーの価格帯になるのが普通ですが、口径をひとまわり小さくすることで安く収めることができます。

末永く使いたい

 自分はのめり込む性格じゃないから天文マニアにはなれそうにないけれど、いい趣味だし末永く天体観測を続けたい。そんな方がおられるかもしれません。そういう方には入門機よりもチョッピリ性能がいい天体望遠鏡がおすすめです。でも赤道儀式にすると重たくなるので、それだけで天体観測が億劫になってしまいそうですね。ですから、架台は経緯台式がよいでしょう。使用頻度がそれほど多くないことを前提にすると、長く保管しておく場所のことも考えなければなりません。

 以上のようなことを考えると、鏡筒は口径8cmくらいで屈折経緯台式の天体望遠鏡をおすすめします。入門機と比べると観測できる天体数が多くなりますし、見たいと思った時にパッと取り出してスグに観測を開始することができます。価格は5万円前後を目安にするとよいでしょう。 

天体写真を撮りたい

 天体望遠鏡にカメラを取り付けてカッコイイ惑星や美しい星雲の天体写真を撮影してみたい。そんな風に考える方がおられるかもしれません。そんなあなたは天文マニアの卵ですから、最初からしっかりした機種を選ばなければなりません。当然のことながら、天体写真撮影では長時間天体を追尾し続ける必要があるので、赤道儀の架台にこだわる必要があります。

 天体写真撮影を行う場合、ガイドスコープと呼ばれる補助望遠鏡や、補助バランスウェイト、カメラや関連する撮影器具など、重たいものをたくさん載せなければなりません。したがって鏡筒もさることながら、特に架台がしっかりした積載重量に余裕がある、1ランクも2ランクも上の機種を選びましょう。

 

 それから、鏡筒のF値も大切です。カメラでいうところの絞り値に相当し、焦点距離のミリ数を口径のミリ数で割り算すると求まります。この値が小さいほど短い露出時間で撮影することができて有利です。屈折式なら8以下、反射式なら6以下を目安にしてください。

 天体写真はもちろん自分の腕も必要ですが、ある程度の機材がそろわないと綺麗な天体写真を撮ることができません。どこまで望むかのレベルにもよりますが、機材をそろえるにはそれなりにお金がかかるのも事実です。


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